2年前に京都駅の周辺を実査した際に、
きわめて良い事例と成り得る店舗を発見しました。

その当時のブログにまとめたものを、
加筆・修正して再掲載します。

 

 

 

京都の「隠れ繁盛立地」にあった飲食店

京都駅近辺は、駅を出た目の前に、
京都各地の観光名所へ向かう沢山のバスが集まるバスターミナルがあり、
さらにその向こう側には、有名な「京都タワー」があります。

そのため、多くの観光客の流入があるエリアです。
とりわけその実査をおこなった日は、GW最後の最後の日曜日だったこともあり、
とにかく人でごった返していました。

 

 

 

そんな京都の街で見かけたお店の中から、
「この立地は素晴らしい!」
というお店を、1店ご紹介したいと思います。

 

それがこちら。

「なか卯 七条新町店」です。

なか卯七条新町店

 

 

こちらのお店は、Googleマップ上に表すと、こんなところにあります。

なか卯七条新町店GoogleMap1

こちらを見ていただくとお分かりのように・・・・

京都駅北口エリアの商業集積、つまり繁華街は、
主に「ポルタ」という地下街と、
「京都タワー」「ヨドバシカメラ」などがある、
その一帯にしかありません。

そのエリアだけ、沢山の人が行き来する様子が観察され、
しかし一方で、その他の道路は、まばらにしか人は往来していないのです。

 

この「なか卯」は、完全にそうした繁華街から離れています。

道のり距離にしておよそ200m以上・・・・
わざわざ目的来店するような特別なお店ならともかく、
牛丼を食べるために、繁華街からここまで歩いてくることは、
ほぼ有り得ないと言っていいでしょう。

 

「なか卯」の周辺も、他に居酒屋等が無いわけではないですが、
決して賑わっているエリアとは言い難い感じでした。

一般の方々の目線から見たら、
「何故なか卯ほどの有名チェーンが、
こんな立地の悪いところに出店しているんだ!?」
と思われることでしょう。

お店の建物は立派ですから、もしかしてそれが理由かと思われてしまうかもしれません。

 

 

しかしながら、実はこのなか卯が、
駅からも繁華街からも離れていますが、とても良い立地なのです。

 

 

 

 

この「なか卯」が繁盛立地にあると言える理由

その理由は、先程の地図を、もう少し広げて見ると、分かりやすいかもしれません。

 

なか卯七条新町店GoogleMap2(広域)

いかがでしょうか?

勘の良い人や、立地眼を鍛えている人は、ピンときたことでしょう。

 

 

まず、
「西本願寺」と「東本願寺」に囲まれたエリアの人々(人口約2,500人)が、
駅や繁華街に向かう際に、なか卯の前を高い確率で通るのです。

そのエリアの人たちは、東南側に向かって進むことになり、
そしてその先端に、なか卯があるのです。
道路構造上、これはかなり確率が高いと思われます。

 

さらに、元々このなか卯がある道路、「塩小路通り」は、
東西にかなり長く伸びる道路です。
なか卯の西には「龍谷大学文学部」の校舎があり(学生数約4,000人)、
その学生も、駅方面との往来の際になか卯の前を通る可能性は高いのです。

 

 

こうしたことを、先程の地図に書き込むと、こうなります。

 

なか卯七条新町店GoogleMap3(商圏)

 

すなわち、このなか卯の立地は、

繁華街から離れ、購買客や就業者をお客さんにはしにくい

というマイナス点がある一方で、

北西エリアの住民や龍谷大学の学生を入れ食い状態にできる

ということなのです。

 

この構造は、この記事で触れた「最高の立地」のパターンと同様です。

<参考>

 

 

 

こうした立地への出店がチェーンの行く末を握る

ただし勿論、繁華街に出店した方が、売上高そのものは高いでしょう。
それは、当然のことです。

この「なか卯」も、いくら立地が良いとはいえ、
この場所で1,000万円以上売り上げている、というわけではないでしょう。

おそらく、全店舗の中でいったら、「中の上」くらいの売上げだと思います。

 

しかし、この立地のポイントは、
上記のようなプラスがあると同時に、
繁華街と比べて家賃が安いということです。

家賃が高いところで1,000万円売るより、
家賃が安いところで600万円売る方が、
結果的に大きな利益が取れるということもあります。

そこを突いた、非常に優良な、お手本みたいな出店だと思います。

 

 

このなか卯を見ていて、こういう立地は、それこそ、
「個人の方にこそ頑張って出店してもらいたい」
と感じました。

 

このなか卯の物件はともかく、
このケースと同じような目線で見つかる「隠れ繁盛立地」は、
実は、色々な場所にあります。

チェーンでも出せるくらい売上げが取れて、
個人でも出せるくらい家賃が抑えられる物件なのです。

 

 

 

昨今、本当に出店は難しくなってきました。

「誰が見ても売れる立地」には、ほぼもう出店し尽くされ、
一等地ばかりに出店していたチェーン店でも、
二等・三等の立地にも手を出さざるを得なくなっています。

そこで、ちゃんとこの「なか卯」のように、
「立地のポイントを押さえた出店」をしているかどうかで、
チェーンの行く末は変わってくるのです。

 

全てのチェーンがちゃんと立地ノウハウを持っているわけじゃなく、
むしろ持っていない企業の方がほとんどですが・・・・
こうして、「なか卯」のように、しっかりした立地戦略を持っている企業は、
どんどん、個人開業者でも出店できる立地まで開拓していきます。

個人さんや、これから店舗を増やしていこうとする中小チェーン企業は、
うかうかしていると、どんどん取られていってしまいます。

 

 

こうした「隠れ繁盛立地」は、探せば意外と見つかるものですが、
だからといって、そんなに数が多いものではありません。

繁華街の中なら、交差点角地を他社に取られてしまっても、
2~3軒隣に出店したって、そこまでのマイナスは無いかもしれません。
しかし、二等立地、三等立地で利益を上げるとなると・・・・
「この物件を外したら無理」というラインがあるからです。

ですから、なるべく早くにこうした「隠れ繁盛立地」を探すことに、
早急に手を付けなければいけません。

 

 

ちなみに、このなか卯の向かい側には、
居酒屋とホルモン焼肉のお店が出店していました。

なか卯の向かいの居酒屋とホルモン焼肉屋

幸いにもこの立地は、なか卯と同等に良いと考えられます。
お店を覗いてみると、やはりかなり繁盛している様子でした。

 

「隠れ繁盛立地」を見つけたいと願うなら・・・・
本気で、立地を見極める技術を、身につけることが必要です。

 

そして、チェーン企業に取られる前に、
これからどんどん伸びていきたい中小企業や個人の方に、
こういう場所にどんどん出店していってもらいたいものです。

 

 

「なか卯」が「隠れ繁盛立地」に出店するケースは多い?

ちなみに、余談ですが・・・・

今回の店舗に限らず、「なか卯」は、
頻繁に「隠れ繁盛立地」に出店しているケースがあります。

 

同じゼンショーグループでも、「すき家」は比較的一等地が多いのですが、
一方で「なか卯」は、
「なぜこんなところに出店してるの!?」
って思えてしまうお店が、わりと多く見受けられます。
(勿論分かりやすく良い立地の店舗も多いものの)

したがって、もし身近にこのような、
一見どうしてそこに出店したか分かりにくい「なか卯」を見つけたら・・・・
それは、「隠れ繁盛立地」である可能性があります。

その「なか卯」をよくよく観察してみて、
その立地の何がどう良いのか、調べてみることをオススメします。

 

 

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