何のお店が入っているか全然分からないビル

「視界性」の判定の際に発生する疑問

お店が、お客さんから「見える」ということは、非常に大切なことです。
 
「立地判定」の世界では、この「見える見えない」のことを、
「視界性」という言葉で表現します。

 

 

お店の「視界性」について問題にしようとする時、
必ずと言っていいほど頻繁に持ち上がる2つの疑問があります。

 

それは、
 
①「別にそこまで見えなくても売れるお店は売れるでしょ?」
 
という疑問と、
 
②「そもそも視界性の良し悪しは立証が難しいのでは?」
 
という疑問です。

 

 

特に①は、私もクライアントからよく言われます。
 
皆さん、視界性が大切なのは当然分かってらっしゃるのです。
 
しかしながら、「どれくらい大切か」については、
その考え方に、人によって大きな差があるようです。

 

 

確かに、「お店が見えなくても売れる」というケースは、
あるにはあります。
  
例えば、街道沿いから全然見えないお店を数十店も出店していながら、
どのお店も高い売上げを叩き出すような優れたチェーン店はありますし、
 
そもそも、「質屋」のように、業種業態によっては、
視界性が良くない方が商売が成り立つ場合もあります。

 

 

けれど、ここで勘違いをしないでください。
  
こうした例外的な事実をどんどん広げていって、
「視界性なんか気にしなくていいんだ!」
となってしまうのは、きわめて危険なことです。

 

 

なぜなら、
 
「お店が見えなくても売れる」
 
という話は、裏を返せば、
 
「お店が見えればもっと売れる」
 
という前提があって言えることだからです。
決して、
 
「お店が見えない方が売れる」
 
ということではありません。

 

さらに、質屋のような業態にしても、
「見えにくい、目立たない」という特殊な状態であるだけで、
決して、「絶対に見えないのがベスト」という意味ではありません。

 

 

 

「見えないお店は存在しないことと同じ」

今の時代は、昔と比べてインターネットが発達し、
お店自体が見えにくくても、お客さんがお店を調べて、
わざわざ探して来てくれるというケースが増えてきました。
 
そのため、以前から多くあった「視界性不要論」のような話は、
今なお強まっている傾向にあります。

 

しかしながら、私はむしろ、「視界性」は、
以前と比べて、さらに重要度を増したと感じています。

 

 

たまたま来店やついで来店のお客さんを多く吸引する、
「立地依存型」の飲食・小売業店は元より、
 
店舗を持たない通販や宅配ビジネス、会員制クラブといった、
「商圏依存型」のビジネスにおいても、
 
視界性のそもそもの原理原則にのっとって、
 
「誰(どんな人)から見えているのか」
「どんな状態で見えているのか」
「何が見えているのか」

 
をしっかり考えた時、
「お店の見え方(知覚のされ方)」が、
売上げの良し悪しにダイレクトに結びつく、

ということは間違いありません。

 

なぜならば、「視界性」とは、店舗そのものや看板は勿論、
ショップカードや販促チラシ、ウェブサイトまでも関わってくる話だからです。
(後者についてはそんなに深くここでは語りませんが)

 

 

リアルの世界のみならず、ウェブの世界にもお店が溢れている中、
ひとつひとつのお店は、油断するとすぐ埋もれていってしまいます。
 
「お店の存在をお客さんに知ってもらう」
 
このプロセス無くして、ショップビジネスが成り立つことは有り得ません。
 
「見えないお店は存在しないことと同じ」
 
なのです。
  
そして、リアルの世界でお店を出しているビジネスは、
すべからく「直接お客さんに来店してもらわなければならない」わけです。
 
であれば、お店(または看板)が、立地上、
「直接」知覚されることが重要なのは、至極当然と言えます。

 

 

 

 

繁華街の居酒屋が「客引き」をしなければならない理由

最後にもうひとつ、決定的な話をしましょう。
 
 
新宿などの繁華街では、夜になると、
多くの「客引き」が見られますよね。
  
基本的には条例で禁止されているはずなのですが、
そんなことお構いなしです。

 

少し、考えてみてください。
なぜ、禁止されていてもなお、
彼らは「客引き」をするのでしょうか。

 

答えはひとつです。

 

 

 

「待っていてもお客さんが来ないから」
に他なりません。

 

 

大きな繁華街では、雑居ビルに入居するお店が数多くあります。
そういった物件は得てして、視界性がきわめて悪いものです。
 
つまり、いかに周辺に人が多くいれど、お店が見えていないため、
お客さんにとっては存在しないも同然なのです。
 
ですから、放っておくと全然売上げが立ちません。
そのため、「客引き」という手段を用いてお店を知ってもらう、
ということにならざるを得ないのです。

 

 

あえて、批判を覚悟で言いましょう。
 
「客引きなんかをしなければならない時点で負け組」
 
なのです、ショップビジネスとしては。
出店立地でも、商売の中身でも、負けています。
 
その証拠に・・・・
そういった、客引きを必要とするようなエリアの店舗は、
コロコロと入れ替わります。
 
高い家賃を払えるほどに売上げを立てられず、
撤退を余儀なくされるわけですね。

 

 

 

 

繁華街の「見えないお店」の事例

新宿の繁華街のごちゃごちゃ
(新宿にて。どこを見たらいいかわからないくらい看板がごちゃごちゃ)

 

ホルモンはなけん以外よく分からない

(同じく新宿にて。看板がごちゃごちゃしていて「ホルモンはなけん」以外は判別が難しい)

 

何のお店が入っているか全然分からないビル

(何のお店が入っているか全然分からないビル)

 

 

 

 

視界性が悪い、お店が見えない状態での出店の末路。
 
このようなことにならないよう、
しっかり視界性について考えていっていただきたいと思います。
 
 
最後に、以前に書いたブログから、
視界性に関連する重要な内容の記事を転記します。

 

 

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