車が「看板」になっている

2年前、静岡に実査に行った際に街中で見つけた、
「あ、この工夫、いいな」
というものを、5つほど選んでご紹介したいと思います。

これは、2年前に書いた文章の転記となります。

 

 

 

建物をうまくカラーリングしている

歓楽街の中で見つけたカラオケ店、
「ジョイサウンド」です。

建物をちゃんとカラーリングする

視界性の観点から言えば、ある意味で、
お手本のような店舗デザインです。

このように4層くらいある建物全体を、
真っ赤に塗りたくってしまうのは、
ちょっと「下品」に感じられる場合もあるかもしれません。
(目立つから悪くは無いんですが)

しかしながら、チェーンのイメージカラーは、
しっかりと押し出していくべきです。

そうであれば、せめて1階部分にだけでも、
ちゃんと「ブランド」を表現する。

当たり前、と思う人には当たり前ですが、
結構忘れられがちになる、大切なポイントです。

その上で、このお店は、上階にも大きな看板を出しています。
文字も大きく、これは目立ちますね。

遠くからでも、
「あそこにカラオケ屋がある!」
と、嫌でも目に入ることになります

素晴らしい店舗デザインです。

 

 

 

アンドン看板はここまで伸ばせ!!

コンビニさんで特によく見られる、この工夫。

店舗看板を広く作る(静岡ファミマ①)

店舗看板を広く作る(静岡ファミマ③)

建物の間口の構造次第では、店舗の顔となる看板が、
うまく設置できない場合もあります。

特に個人店さんですと、そういう場合、
「お金も無いし看板くらい大丈夫だろう」
と思ってしまう人も多くいらっしゃいます。

しかしながらそれは、大きな過ちに繋がりかねません。

アンドン看板設置の際は、
「最大限広く幅を取れる設置方法」
を考えてください。

 

この事例の物件のような構造であれば、入口の部分はセットバックしており、
本来であれば、角のカーブした部分にしか、
看板が出せなかったと考えるのが普通です。

もしくは逆に、セットバックした入口の、
その真上の狭いスペースだけに設置してしまう、
という失敗看板をつけているケースもあります。

けれども、本当にお店の存在感をちゃんと出そうと思ったら、
そうしたことでは不十分というのはご理解いただけるでしょう。

このお店のオーナーさんもそういったことを考え、
こういった設置の仕方をしたのではないかと推測されます。

 

この事例を見て、
「コンビニ大手だからこういうことができるんだ」
と思わないでください。

コンビニ大手だからできる、のではないのです。
こういう工夫を着実にやってきたから、
今、大手の座に君臨できているのです。

 

 

 

こんなものまで看板に!?

これもカラオケ店の事例です。
店前に大型の車を置き、その全体を、
お店の「看板」としてデザインして使用しています。

車が「看板」になっている

これを見て最初は、面白いなと思うと同時に、

「こういうイロモノ看板は悪くないけど、
車が物理的に邪魔というマイナス要因の方が大きいのではないか」

という感想が出てきました。

目立つことは確かに目立ちますけれども、
どれだけ目立ったとしても、看板自体が大きすぎて、
お店の前を塞いでしまい、お客さんが入店できなければ、
意味がありません。

そう思いながら、よくよく見てみると・・・・

車が「看板」になっている②

なんと、この物件、1階は「無料案内所」!!
(要するに風俗系ですね)

しかも、その無料案内所は、
このカラオケ店「ジャンカラ」と、
看板の色の傾向が似ています(赤・白・黄色など)。

 

このことに気付いてしまったら、

「これは素晴らしい工夫だ!」

と、驚かざるを得ませんでした。

 

このカラオケ店は、チェーンである以上、
看板の色のイメージはなかなか変えられるものではありません。

そのため、もしジャンカラがここに普通に出店して、
普通の置き看板しか設置していなかったら・・・・

1階の無料案内所と景色の中で融合して見えてしまっていた
かもしれないのです。

無料案内所も、この色の看板は、結構目立つものです。
同じ配色の看板でちゃんと差別化しようと思ったら、
ちょっとやそっとの工夫では難しいでしょう。

 

そうであるならば、と・・・・

なんと、どどーんと、車を置いてしまう!
車を看板がわりに使ってしまうとは!!!

恐れ入りました。

ここまでしてしまうと、存在感や視界性で、
ジャンカラは無料案内所に、完全に勝ってますね。

というより、無料案内所がほぼ見えない状態になってしまっています。

さらに、ジャンカラは2階で、1階には狭い階段間口しかありませんが、
こうしてカラーリングした車を置くことで、車の幅の分、まるで、
「1階にあるお店」
のようになっているわけです。

これは本当に、すごい工夫ですね。

 

まぁ、もちろん、他の場合でも、いつでもどこでも、
これと同じことができるかと言えば、現実的には難しいことです。

けれども、この事例から学ぶべき最大のポイントとは、
発想が素晴らしいということです。
看板についてはこれくらいドラスティックに、工夫する考えを巡らせてください。

 

 

 

建物壁面のスペースも有効利用!!

これは、商店街で見つけた、どらやきのお店です。

店舗建物の壁面に看板設置

このように、お店が角地にあり、壁面にスペースがある、
というケースは少なくありません。

交差点角地であることの利点のひとつは、
「間口が2面に取れること」
です。

しかしながら、せっかく2面に取れるというのに、
看板を片面にしか設置していない、
というような勿体ないお店も数多くあります。

ちゃんとこのお店のように、
空きスペースを有効に使って、
存在感を出していくことが強く推奨されます。

 

 

 

店名をぜんぶ表示する必要なんか無し!!

私はこれを見つけた時、思わず、
「これは素晴らしい!」
とうなりました。

靴流通センターの店舗看板が一文字で「靴」

このお店、全国チェーンの靴屋さんである、
「東京靴流通センター」です。

しかし、お店の看板にはただ一言、

『靴』

とだけ。

これは、分かってしまえば単純なことなのですが、
なかなか多くの人が辿り着けない、素晴らしい工夫なのです。

ほとんどの人が、
「看板には店名を表記するもの」
という先入観、固定概念があります。

しかし、看板設置の本来の目的を考えたら、
必ずしも店名(またはその全て)を書かなくても、良いのです。

看板とは、お客さんに、
「どこに何屋がある」
ということを、気付いてもらうために設置するものです。

それが看板の第一義です。

そのためには、ごちゃごちゃ情報過多の看板では、
まったく意味がないのです。

このお店の場合、もし店名をちゃんと表記すると、
9文字にもなります。

限られた看板の面積に9文字も書くのは、
不可能では無いですが、見た目がごちゃごちゃするのは避けられません。

しかし、ただ一文字、『靴』と書けば・・・・

それで、実際には事足りますよね?
遠くから、何屋なのかすぐ、分かりますよね?

この表記で、何か他に不都合が生じるでしょうか?

いえ、売上げに大きなマイナス影響を与える不都合なんて、
このシンプルさゆえに発生するプラス影響に比べたら、
あったとしても些細なものでしょう。

このような、「一瞬で判別できる看板」を目指す努力を、
すべての経営者に忘れてほしくないですね。

看板デザインが、売上げを大きく左右することは、
いくらでもそういったケースがあります。

 

 

良い工夫はどんどん取り入れてください

以上、静岡で見つけた看板の工夫5選でした。

なお、当然のことですが、これらは、
たまたま静岡で見つけたというだけで、
似たような工夫をしているお店は全国にあるでしょう。

ご自身の街でも、お店をよく観察すると、
様々な工夫が見えてくることと思います。

こういった工夫のアイディアそのものには、
著作権も何もありません。
(全く同じようなデザインを猿真似しない限り)

良い工夫は、自らのお店にも、
どんどん取り入れていってください。

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