セント・ベルナルデュス(神田)

心理的制約のあるお店はお客さんから敬遠される

お店の経営者が思う以上に、お客さんは入店に際して、
様々な心理的制約を抱えているものです。

ここでいう心理的制約とは、お客さんが、
『このお店ちょっと入りにくいな』と思ってしまうことを指します。

 

立地上のマイナス点

お客さんにそう思わせてしまう立地的要因(土地や建物のマイナス点)は、
色々ありますが、例えば、

 
●入口がものすごく狭い
●お店が地下にある
●外装の雰囲気が怪しい
●お店がゴミ捨て場の隣
●どこが入口か分からない
●店前に自転車が沢山停まっている

 
・・・・等々が挙げられます。

 

こうしたマイナス要因がある物件では、
「お店の立地そのもの(位置)は悪くないのに、なかなかお客さんが入ってこない」
というような状況になってしまうことが、多々起こり得ます。

 

 

こうした建物制約がマイナスに働く理由

それはなぜでしょうか??

 

 

一言で言うと・・・・
 
「安心できないから」
 
です。

 

 

 

 

心理的制約とは、「不安を感じている状況」という言葉にも置き換えられます。
 
人間は、相当のマゾでない限り、基本的には、
「なるべく不安な場所から離れよう」という考えが働くものです。

そのため、安心できない=不安を感じさせるお店には、入店したいと思えないのです。

 

 

 

入口が狭い・・・・ちょっと閉塞感があって安心できないな。
お店が地下にある・・・・なんか怖いな。どんなお店だか分からない
外装の雰囲気が悪い・・・・変なお店には入りたくないな。

 

というような感じにです。

 

せっかく、中に入ってもらえば気に入ってもらえるお店なのに、
こんなことで、まず入ってきてさえもらえないのは、勿体なさすぎですね。

 

 

どうやって制約を克服するか

こうしたことを起こさないためには、
心理的な負担、不安を感じさせないための工夫が必要です。

 

その工夫のひとつが、

「お店の外から中の様子が分かるようにする」


ということです。

 

 

具体的には、
 
○入口や壁面をガラス張りにする
○大きな窓を設置する

 
などの施策が考えられます。

 

 

これらの工夫を施すことで、お店の前を往来する歩行者が、
「どんなお店なんだろう?」と中を覗き込むことができ、
それによってお店の雰囲気を感じ取ってもらいやすくなります


その結果、「ここは入っても大丈夫そうだ」って安心してもらえれば、
入店に繋がってくるのです。

 

 

さらには、お店の中の様子が分かると、
席が空いているかどうかも分かりやすい
ですよね。
 
それに、お店の盛り上がり具合も伝わります
多くの人は「誰もいないお店」よりも、「繁盛しているお店」に入りたがります。
ガラガラのお店じゃなく、多少混んでいても、人気があるお店に入るのです。
(これを心理学では「バンドワゴン効果」とも言います)

 

 

 

すなわち、お店の中が見えていれば、
お客さんがお客さんをどんどん呼び込む効果が期待できるということです。


繁盛すればするほど、その効果は高まるでしょう。
つまり、
集客力がどんどん途中からアップするのです。
お店の中が見えなければ、集客力は常に一定のままです。

 

 

お店の中が見える/見えないによる実際の売上げの違い

ちなみに、「お店の外から中の様子が分かる」と売上げが高まることは、
データの上にも表れています。

私が以前に調査したお店の中から、「1階」にある「居酒屋」業態94店舗に絞って見た時・・・・

 

 

■外から中の様子が分かるお店(28店舗)
 
平均坪あたり売上げ:44.4万円/坪
 
■外から中の様子が分からないお店(66店舗)
 
平均坪あたり売上げ:32.8万円/坪

 

 

となりました。
なんと、お店の外から中の様子が分かるお店は、分からないお店と比べて、
平均で
約35%も売上げが高かったのです!!

 

 

さらにもっと詳しく見ていきました。
これらの94店舗のうち、
「アクセスのしやすさ」「お店の見つけやすさ」などの立地要因が、
可もなく不可もなく標準的だった場合・・・・

 

 

■外から中の様子が分かるお店(17店舗)
 
平均坪あたり売上げ:50.0万円/坪
 
■外から中の様子が分からないお店(12店舗)
 
平均坪あたり売上げ:33.0万円/坪

 

 

なんと!!
約52%も、中の様子が分かるお店の方が、売上げが高くなる傾向が出たのです。

 

これは、驚きの数字です。
単純計算をしてしまえば、

お店の壁面をガラス張りにするだけで、
月商500万円のお店が750万円まで上がる

ということになります。
驚異的な数字です。

 

さらにもうひとつ。
 
新宿や池袋みたいな繁華街ではなく、
どちらかというと街の外からの流入がないような、ベッドタウンなどにおいては、

 

■外から中の様子が分かるお店(12店舗)
 
平均坪あたり売上げ:34.5万円/坪
 
■外から中の様子が分からないお店(26店舗)
 
平均坪あたり売上げ:25.0万円/坪

 

 
こちらも、約38%も売上げが違いました。

 

ちなみに大繁華街エリアだと売上の違いは約22%でした。
 
これはつまり、
繁華街は人が沢山いるからお店の中が見えなくても入ってくる人もそれなりにいるが、
住宅街や小さな町だと入りにくさが大きなマイナス点に直結する

ということを示唆しているのだと思います。

 

個人で開業する方はとりわけ、大繁華街よりは、
そうした小規模な商圏に出店することが多いと思いますので、
とりわけ重要なポイントであると言えるでしょう。

 

 

 

ガラス張りのお店の事例

以下、全面ガラス張りの例としては、こうしたお店が挙げられます。

 

セント・ベルナルデュス(神田) ウォータリングホール(代々木) 筑前屋(新宿御苑)

 

正面に広く間口が取れるなら、これくらいのことをするのがベターではありますが・・・・
工事費の問題や、物件そのものの制約から、それが難しいこともあります。
 
そういう時は例えば、以下のお店のように、
側面をガラス張りにするという方法もあります。

 

正面

風鈴屋正面入口

側面

風鈴屋側面はガラス張り

 

また、例えばこのお店のように、
入口のドアだけ、ガラス面が広いものに取り換えるだとか、
そうした工夫でも十分に効果はあると考えられます。

Locco(新橋)

 

 

 

まとめ

お店の外観を決めるのは、オーナーであるあなた自身です。
 
しかし、そのお店に入るかどうかを決めるのは、お客さんです
 
お客さんが安心して「入りやすい」と思ってくれなければ、
どんなに良い料理・サービスを提供していようと、まず最初の来店がありません。

 
お客さんの安心のために、
「お店の外から中の様子が分かる」ということは、
軽視できないきわめて重要なポイントである
こと、心に留めておいてください。
 

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