realandfake-salesforecasting

「売上予測」という言葉は、
ショップビジネスに携わる人は勿論のこと、
一般の方々も、聞いたことがある言葉だと思います。

使ってる場面に遭遇したことは無かったとしても、
だいたい、言葉の意味はイメージ付きますよね。

 

 

では、『売上予測』って、本質的には一体なんでしょうか?

今日は、この言葉に関わる大きな認識違いについて、書こうと思います。

 

 

売上予測の大きな3つの概念

「え?文字通り、売上げを予測することでしょ?」

と思われることでしょう。

 

えぇ、それはその通りなんですが、
ショップビジネスでは、状況によっていくつかの異なる概念になるのです。

認識違いについてのお話の前に、まずその前提について書きます。

 

その概念とは、大きく分けて3つです。

 

まず、

「去年これくらい売れていた。今年はこれくらい売れるだろう。」

というように、時系列で売上げを予測する場合
「前年比●●%」とか、既存店の売上げの推移を見るものです。

乱暴に言いかえれば、
「去年(または先月など、過去)を基準にして、より『上がる』か『下がる』か」
を予測するものと言えます。

 

 

それから、

「こういうプロモーションをすれば、これくらい売れるだろう。」

というように、何か施策を打った時の効果を測定する場合

これも主に既存店に対しておこなうもので、
チラシを売ったり新メニューを出した時など、
突発的な施策に対する売上げを予測します。

 

 

そして最後に、

「お店を、どこに出したらどれくらい売れるのか」

というように、お店を出す前に予測する場合があります。

この場合が一番メインで「売上予測」と言われますが、
広義では上の2つも含んでいます。

 

 

なお、私のブログでは、特に注釈が無い限り、
「売上予測」といえばこの3つめの意味で用いています。

お店を出店する際に、事前に調査・分析して、
どれくらい売上げができる場所なのかを予測する、ということです。

 

 

このことを前提として・・・・

「売上予測っていったいなんでしょう?」

と聞いていくと、多くの人の中に、
それが指す意味の違いがあることに気付きます。

本来、正式に持つ意味はひとつなのですが、
なんと人によって、4つもの違った解釈をしていることが分かったのです。

 
本当の意味での「売上予測」とは何なのか、
それが分かっていないと、事業計画に大きな支障をきたすことにもなりかねません。

どんな認識違いが起きているのか、まとめてみたいと思います。

 

 

 

「売上予測」という言葉の、4つの解釈

 

1.「これくらい売れたらいいな」

これは、「期待売上」と呼ばれます。
文字通り、期待する売上げのことです。

 

 

2.「これくらい売れなくちゃならないな」

「必要売上」というものです。
収益が出るにはいくら以上の売上げが必要か?ということを考え、
そこから導き出したもので、
「損益分岐点売上」とも言います。

 

 

この2つは、こうして書き出せば、「予測」ではないことはお分かりになるでしょう。

しかし、実際に多くの人がこれを勘違いし、
「400万円売れれば利益が取れる」
という「必要条件」を、いつの間にか、
「400万円くらいは売れるだろう」
という未来のイメージにすり替えてしまっていることがあります。

とりわけ、初めての出店開業をする人など、
売上予測の手法が全然まったく分からないという人に、起きがちなケースです。

 

売れる根拠はない。

けれども、

「売れてほしい」「売れる必要がある」
だから、
「売れる気がする」
っていうのを、うっかり「予測」と呼んでしまうのです。

 

この勘違いから、
「オープンしたが思ったほど売れない」
という結果に繋がります。

本当は「予測」なんてしていないのですが、すり替えが起きているため、
「思ったほど~~」というあたかも「予測」をしたような言い方になるのです。

それもそのはず、「予測」したのではなく、
「期待」しただけだったのですから。

売れると思ったかどうかは、何も根拠が無かったので、
立地によっては、「売れなくて当然」という結果になります。

 

特に個人のクライアントさんと話していると、
実に7~8割くらいの人が、「売上予測」のことを、
これらの「期待」か「必要」の意味で捉えています。

 

これでは、本末転倒です。

本来であれば「売上予測」とは、
いくら投資をするべきか、
いくら経費を使えるか、
いくら融資が必要か、
などなど、そういった数字を弾き出すためにおこなうものなんですが・・・・

投資や経費や融資などが先にありきで、
「これくらい売れる必要がある」という考え方から売上予測をしたのでは、
まったくの逆なのです。

 

そのため、まずそこの認識違いを正すところからコンサルティングが始まることも、少なくありません。

 

 

 

3.「(これまでの経験から)これくらい売れるだろう」

これを、「予想売上」と言います。

いわゆる、「ドンブリ勘定」というやつです。

 

例えば、
「1店舗目は月商1,000万円、
2店舗目は600万円だったから、
次のお店は平均取って800万円くらい売れるだろう」
のように考えます。

そのため、「平均予測法」などと呼ばれることもあります。

なにぶん、具体的な数字的根拠や、理論的な部分が甘いので、
相当の熟練者でもない限り、そんな大した精度を出すこともできません。

なんとなーくで予測するのなんか予測だと言えるのか?
という意味で、
「無予測予測」と揶揄されることもあるくらいです。

しかしそれでも、上記の2つ、「期待」や「必要」に比べれば全然マシなのですが・・・・

 

 

 

4.「(客観的情報から)これくらい売れるだろう」

ここで出てくるのが、正確な意味での「予測売上」です。
過去のデータを統計的に分析し、合理的に数値を導き出すもので、
「理論売上」と呼ばれるものです。

 

本来、「売上予測」と言えば、
この4番目の意味のみを指すものであってほしいのですが・・・・

この「予測」というものは、きわめて難しいのです。

正確に分析して理論的に予測するには、
最低でも20店舗、できれば30店舗以上の既存店が必要
です。

それに加えて、各種統計データや、調査分析ノウハウが必要になってくるため、
初心者がすぐにパッとできるものではありません。

 

こうした現実を前に、それでもなんとか、
「予測」をしなければならない状況に追い込まれていくうち、
その言葉の持つ概念が、
「期待」や「必要」にまで広がっていってしまったのではないかと考えられます。

ですが、実際におこなっていることは「予測」ではなく、本末転倒な場合も多くあります。

 

 

 

「予測」ができないまでも、せめて「予想」を

せめて!!!

せめて、「予想」をしっかりやっていただきたいと切に願います。

 

例えば、自身が出店しようと思っている業態に似たお店のデータを、
雑誌などをチェックして集めたり、実際にお店を見に行って、
なんとなくでもいいから売上げを予想し、そこと比べてみたり。

それで精度を上げるのはなかなか難しいかもしれませんが・・・・
それでも、「期待」や「必要」の売上げを考えることに終始してしまうよりは、
よっぽどリスクを減らせることに繋がります。

 

 

 

 

これから出店しようと思っている個人の皆様。

出店に携わっている企業の皆様。

今、している「予測」は、本当の意味での「予測」ですか?

「予想」ならまだしも、「期待」や「必要」を、
いつの間にか「予測」にすり替えてしまってはいませんか?

気を付けてください。
もしかしたら、思わぬ落とし穴があるかも・・・・しれません。

その「売上予測」はどれをさしているか

この記事が気に入ったら
フォローしよう

最新情報をお届けします

おすすめの記事