「住民の質」の良い・悪いはどう判断する?

出店前に、統計データなどをしっかり確認し、
周辺の住民の質が良好な商圏であるかどうかを見ることは、
失敗しない商圏選びにとても重要なことです。

住民の質を測るデータは様々な種類のものがありますが、
最も基本になるのが、「年齢別人口」のデータです。

そのエリアに、何歳から何歳の人がどれくらいいるのか・・・・
そういったことをまったく勘案しないままエリアを選んでしまうと、
出店した後で、
「お店のターゲット客層と周辺住民の層がマッチしない!」
というリスクを背負うことにないます。

 

 

そのことをお話すると、
こんな質問をされることがあります。

「では、どんな質(年齢層)の商圏だったら、
商売に適しているのですか?」

と。

 

勿論、一番最初にお答えするのは、

「あなたのビジネスのターゲット層が
多くいる商圏がいいですよ」

ということです。
これは、当たり前といえば当たり前です。
最終的に、このことに勝るポイントはありません。

20代を狙っているなら20代がいる商圏、
高齢者を狙っているなら高齢者がいる商圏、
そういう場所に出店するのがベストであるのは、
誰でも理解できることだと思います。

 

ただ、こうした当たり前のこととは別に、

多くの一般的なショップビジネスに適した、
「住民の質の良い商圏」

というものがあるのです。

 

それを見つけるには、どういった部分に着目すべきなのでしょうか。

今回は、そのことについて、
お話したいと思います。

 

 

 

「P比」と「Q比」

ただ漫然と年齢層のグラフやデータを見ても、
商圏の質を「良い・悪い」と判断するのは、
分析に慣れていないと難しい
ものです。

簡単に、ざっくりとでも、
そのエリアがどんな地域であるのか、
見ただけで判別できる指標があると嬉しいですよね。

その指標となるのが、

「P比」と「Q比」

です。

 

聞いたことが無い方が多いと思いますので、
ご説明いたします。

 

 

まず、P比とは、

「20~24歳人口を10歳~14歳人口で割ったもの」

です。
すなわち、
若年層の特徴を表す指標になります。

そして、Qとは、

「50~54歳人口を30~34歳人口で割ったもの」

あり、成人層の特徴を示すものです。

 

これら2つの値を、それぞれ、
「1」を基準に、大きいか小さいかで、
日本全国を4つに分類します。

その4つとは、

①P比・Q比ともに1より小さいエリア
②P比・Q比ともに1より大きいエリア
③P比が1より大きくQ比が1より小さいエリア
④P比が1より小さくQ比が1より大きいエリア

の4つです。

この4つの分類を見て、そのエリアがどこに当てはまるのかを見ると、
ざっくりとではありますが、そこが商売繁盛しやすい傾向なのか、
そういうことが見えてくるのです。

では、その4つのそれぞれについて、説明していきます。

 

 

①P比・Q比ともに1より小さいエリア

こうしたエリアは、「年少家族型」とも呼ばれます。

30歳代の親と小中学生くらいの子供が多くいる、
というような人口ピラミッドになります。

このような商圏は、

どんな商売であろうと成功する可能性の高い、
大きなビジネスポテンシャルがある

と捉えられます。

基本的に、子供の年齢が低いため、
親が子供を連れ立って来店します。
親子の両方を吸引することが可能なのです。

また、往々にして、こうしたエリアに住むファミリーは、
他のタイプのエリアに住む同年代のファミリーより、
消費性向が高いものです。

家族での外食のニーズをはじめ、
買い物の単価も、高めと見られます。

 

 

②P比・Q比ともに1より大きいエリア

こうしたエリアは、「成人家族型」と呼ばれます。

50歳代の親を持つ20歳代が多くなる、
つまりファミリーはファミリーでも、年齢層が高い商圏です。

「年少家族型」のエリアと比べると、
ファミリーでの来店というのはあまり期待できません。

成人した親子の多くは、別々の日常行動をするようになっているでしょうから、
その両者をあわせて来店してもらうのは、なかなか難しいでしょう。

決して、悪い商圏というわけではありませんが、
やや、人々の、商売を見る目は厳しくなっています。

 

 

③P比が1より大きくQ比が1より小さいエリア

こうしたエリアは、「成人偏向型」と呼びます。

20代~40代までがほぼ均等に住んでいるような商圏です。
こうした商圏では、
「商売に対する選別が進む」
と言われています。

この世代の人たちは、
「流行」や「商品・サービスの質」に、
とても敏感な人たちです。

もしも、お店が地元住民たちにしっかりと受け容れられれば、
その地域でヒットし、
大きな売上げが狙えるでしょう。

しかしその一方で、もしも質の悪い接客などで、
ネガティブな口コミが広がろうものなら、
挽回することは非常に困難な商圏であるとも言えるのです。

 

 

④P比が1より小さくQ比が1より大きいエリア

こうしたエリアは、「世代混合型」と呼びます。

一言で言えば、
「高齢者が比較的多いエリア」
です。

商圏の年齢層が上がってくると、
「保守的な嗜好性」が強まってくる傾向にあります。

こうした商圏においては、
あまり
新しいビジネスは受け容れられにくいものです。

大手のチェーンが新規参入しても、
昔からある商店街の店舗に負けてしまう、
などいうことがよく発生します。

 

 

 

 

4つの分類を押さえてエリア選びの参考に

いかなるエリアも、以上のような4分類に、
「P比」と「Q比」を基準にして分けることができます。

図で表すと、このようになります。

P比とQ比から分かる商圏の質

そして、
①が最も「質の良い」商圏であり、
④が、なるべくなら避けたい商圏です。

 

 

勿論、業種業態によってターゲットが違うわけですので、
④のような商圏が、必ずしも悪いわけではありません。

しかし、多くのビジネスに共通する傾向として、
「新規出店=新しいもの」に対する、
年齢層による受け容れ方は違うのです。

そして「新しいもの」というのは、人間の心理上、
年齢を重ねるにつれて、受け容れにくくなる傾向にあります。

したがって、若年層が多いエリアの方が、地域住民に受け容れられやすいのです。

 

 

 

これから出店を考えているなら、
その地域の「P比」と「Q比」は、必ず押さえておきましょう。

「年少家族型」なら、多少冒険してみてもいいかもしれません。
少しくらいリスクを冒してでも(家賃が高め、実験的な商品を作る等)、
高い売上げを狙う価値があります。

一方で、もしも「世代混合型」であれば、
チャレンジすることよりも、地元でどんなお店が流行ってるのかを徹底リサーチし、
「かたい」商品を作っていきましょう。

 

このようにして、経営戦略を練るのです。

これは、

10~14歳人口
20~24歳人口
30~34歳人口
50~54歳人口

の4つのデータを見るだけでできる、
とても簡単なものです。
 
ぜひとも、チェックするようにしてください。

 

 

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