視界が狭まってしまう「視界縮小」とは

立地判定の世界において、
お店が「見えるかどうか」
ということについては、殊更きわめてシビアな判断が求められます。
 
そしていわゆる、
「物理的に見ることは可能」
という程度では、「見える」うちに入らないのです。

 

こうした話は、これまでも何度か書いてきました。
 

 
<参考>

視界融合について

視界退行について

 
 
 
これらのように、脳の認識メカニズムによって、
視界に入っているのに、見えていないという状況があります。

 

 

さらに、こうした現象に加えて、そもそも、
「視界が通常より狭まってしまう」
というパターンによって、見えなくなることもあります。

 

これを、『視界縮小』と言います。

視界縮小の原理

例えば・・・・
 
車を運転していて、カーブに差し掛かると、
「カーブの外側」の方にばかり意識がいき、
「カーブの内側」は見えなくなってしまいます。
 
これは当然のことで、そうしないと、
曲がり切れずにぶつかってしまう恐れがあるからです。

 
カーブの曲がり具合にちゃんと意識を払いながらハンドルを切るためには、
自然と、カーブの外側(つまり進行方向)に意識が集中するのは当然です。
 
 

真っ直ぐ走っている時は、ある程度、
道路の脇を左右ともに認識することができます。
 
しかしカーブでは、例えば右に曲がっていたら、
道路の左側は見えますが、
右側は見えなくなってしまうのです。

 

図にするとこんな感じです。
 

カーブによる視界縮小の原理

こうした場合、カーブの内側のお店があると、
そのお店は、ドライバーの視界から外れてしまう
んですね。
 
遮るものが何もなかったとしても、
看板がちゃんと目立っていたとしても、
 
そもそも、「視界に入らない」という、
落とし穴が発生してしまうわけです。
 
 

ですから、こうした場合においては、
カーブの内側でいくら視界性改善をしても、

あまり意味はありません。
 
「視界融合」の時にも書いたような、「目立つ看板」を作っても、
このマイナス要素を跳ね返すには至らないのです。
 
そもそも、どんな看板であろうとも、
視界に入っていないわけですからね。
 
 

「視界縮小」の画期的な改善例

なかなか、どんな場合でも実行可能とは限りませんが、
もし実行できれば、簡単に解決できる方法があります。

 

それは、とても単純なことです。

お店がカーブの内側に位置するなら、
カーブの外側に看板を立てればいい

ということです。

実際の改善事例として

以前に実査をしていた際、
まさにそんな事例を見つけたので、紹介いたします。

それは、こちらのミニストップです。
 

インカーブ内側のミニストップ

 

この店舗は、ちょうど、カーブの内側に位置しておりました。
 
しかも、駐車場の分、道路からセットバックしていたので、
自然にお店自体を見つけるのはきわめて難しい立地です。
 

そこで、こうした工夫がなされていたのです。

アウトカーブ外側への看板設置

 
アウトカーブのほぼ正面に、看板を出して、
 
「お店はこっち側(道路の反対側)ですよ」
 
とアピールしていたのです。
 
この看板によって、曲がり角に差し掛かる前に、
ドライバーはお店に気付くことができるわけです。
 
 
なお、店側車線側から見ると、こうなっていました。
 
 

アウトカーブ外側への看板設置(店側車線)

このミニストップは、道路反対側の看板だけでなく、
よく見てみると、お店の敷地内のポール看板も、
なるべく低い位置、そして、
なるべく道路にせり出すように、工夫したみたいですね。

おかげで、結果的に難なく気付くことができるようになってました。

 

アウトカーブ外側の看板とインカーブ内側のダブル看板

 

もしこのお店が、普通のコンビニと同じような、
無難なポール看板しか出せてなかったら・・・・
 
多くのドライバーが、気付かずに通り過ぎてしまったでしょう。
 
このミニストップは、
看板の位置に工夫をしているから、
お店に気付いてもらうことができている
のです。
 

 

「見えない看板」に設置する意味は無い

看板は、
歩行者やドライバーの「視界に入る場所」に設置しなければ、
まったく意味がありません。

  
本当にちゃんと、その看板は「視界に入っている」のか、
よくよく考えてから設置しなければ、
無駄な投資になりかねないので、要注意です。
 
 
 

なお、余談ですが、人間の視界は、
移動のスピードによっても狭まります。
 
立ち止まっている時は、ゆっくりぐるっと周りを見渡せますよね。
でも、歩き始めたら、基本的には進行方向に意識はいくはずです。
 
ましてや、車を運転していたら、脇見する余裕なんかありません。
ぶつかったり事故を起こしたりしないように注意を払うほど、
余計なものが見えなくなってくるのです。
 
これも「視界縮小」の一種です。

 

 

このことについては、また別の機会にまとめたいと思います。

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