通行量のきわめて多い道、「河原町通」

以前、立地調査のご依頼を受けて京都に行った際、
「河原町通」という大きな通りを歩きました。

ご存知の方も多いかと思いますが、
この通りは、京都市街地内でもとりわけ大きな道路であり、

複数の大型商業施設を核に、沢山のお店が建ち並ぶ、
メインの繁華街のひとつです。

 

平日・休日を問わず、朝から晩まで沢山の人が往来しており、
いわゆる「通行量」はきわめて多い道路です。

だから、なのでしょう、沢山のお店がひしめきあっています。
数々のナショナルチェーンが出店していますし、
1階は勿論、地下や空中階、奥まった場所まで、
様々なお店が鎬を削っているような状況です。
 
河原町通りの混雑具合① 河原町通りの混雑具合②

それはもう、この道の通行量だけを見たら、おそらく多くの方が、
「この通りの出店すれば絶対に繁盛する!」と思えるのでしょう。

 

 

・・・・しかし、実際は・・・・

 

 

実は、この道路沿いに出店しているお店の中で、
いくつか、売上げが分かっているお店がありました。

そして、その多くがなかなか売上げの奮わないお店であったのです。

こんなに、京都市内で名の知れた商業集積地で、
なぜそんなことになるのでしょうか?

その理由は、現地をよくよく観察してみると、すぐ分かりました。

 

 

 

通行量が多すぎる道でお店が繁盛しない理由

「河原町通」沿いのお店の多くが、周辺ポテンシャルのわりに繁盛できていない理由を、
最もシンプルに表現しますと・・・・

「人が多すぎるから」

ということ、そして、

「その上、道幅が狭いから」

ということ以外にはありません。

 

 

実際に歩いたことがある人はお分かりになるかと思いますが、
この道は、観光客なども大勢流入してきていて通行量が多く、
しかしながら、道幅がとても狭いのです。

そのため、「河原町通」沿いを歩いていても、
道沿いのお店を見ている余裕が全然ありません

ひっきりなしに後ろから沢山の人が歩いてきているものですから、
立ち止まっている余裕なんて、ほとんど無いのです。
横に避けようと思っても、道幅が狭く、それも難しいことがほとんど。

つまり、一度この道路沿いを歩き始めたら、
人の流れに沿って、ずっと歩き続けていなければいけないようなものなのです。

立ち止まれるのは、別の道路との交差点であったり、
「河原町通」の東西を行き来する交差点であったり、
そういう一部の場所のみです。

 

 

これでは、お店が流行らないのも当然ですね。

 

 

間口が広くて、遠くからでも見えるようなお店ならばまだしも、
特に、目の前に来るまで見つけられないような視界性が悪いお店は、
気付いた時には、もうすでに通り過ぎてしまっています。

その上、人通りが多すぎて、通り過ぎたことに気が付いても、
引き返すことも容易にはできない状況なのです。

強い目的意識を持って目指しているならまだしも、
このような状況では、衝動来店の性質が強い業態のお店は、
ことごとくスルーされてしまっても仕方ありません。

 

 

それが、こんなにも通行量の多い道路で、
売上げが不振になる理由なのです。

 

ちなみに、これは道の狭さと、人の多さが見てとれる写真です。

人通りは多いのに道幅が狭い 

この写真からでも、相当人が多く、歩きにくい道であることは、
想像に難くないのではないでしょうか。

こういった場所を、
「通行量が多い!これは売れるに違いない!」
というように思ってしまう人は、

「まったくお客さんの気持ちになれていない」

ということです。

おそらく、現地をしっかり実査をできてもいないのではないでしょうか。

なぜなら、実際に歩いてみれば、
この道の歩きにくさは、すぐに分かるのですから。

自分がお客さんの立場だったら、この道沿いで、
気軽にお店に入ろうとはなかなか思えないでしょう。

唯一救いなのは、通行人の歩くスピードがそれほど速くないため、
ちゃんと周りを見ながら歩いていれば、道沿いのお店を見つけることは可能でしょう。

ただ、それでも、こうした混雑する道では、
人は歩くことにだいぶ意識を集中しているものですので、
視界は通常よりも狭くなってしまっているものです。

 

 

お客さんはどこに流れていってしまうのか

なお、この時は、京都に住むクライアントさんと一緒に街を見て回ったのですが、
その方も同じことを仰っていました。

「この道に飲食店があったってね、入らないんですよ、林原さん。
だって、人が多すぎて、立ち止まれないんですから。」

と。

「だから、この辺で何か食べよう思ったら、
寺町通りや新京極商店街に入るんです。」

とも。

河原町通・寺町・新京極

確かに、「河原町通」から、それらの商店街の方に入っていくと、
飲食店が数多く出店しており、
複数のお店で、
ランチタイムや夜の時間帯は行列ができていました。

「河原町通」のお店ははがらがらなのに、
「新京極」の商店街のラーメン店には行列・・・・

もちろん、業態の影響、ということあるかもしれません。
ですが、この人の多さを考えたら、もっと「河原町通」の店舗にも、
多くのお客さんが入っていてしかるべきです。
でも入っていないのは・・・・「入りにくいから」という理由がが大きいのでしょう。

 

 

「河原町通」沿いのお店はどこも、そのような感じでした。

お客さんが入っているのは、
「遠くからでも見つけられる視界性の良いお店」か、
「信号待ちなどで人々が立ち止まる交差点付近のお店」か、
そのどちらかばかりでしたね。

もしくは、「木屋町通」のように、そもそも飲食店が多く、
食事したいニーズのある人が沢山往来する通りにあるお店です。

 

 

 

 

通行量の多寡でお店の売上げは決まらない

通行量が多いから売れるわけでも、少ないから売れないわけでもない。

という話は、どんな業種業態にもほとんど当てはまる、
一般的・普遍的な真理です。

通行量だけでは、売上予測をすることは不可能なのです。

<参考1>

<参考2>

 

その理由のひとつには、今回紹介した事例のように、
「通行量が多いことが原因で、結果的に店前道路が歩きにくくなり、
入店のしやすさや視界性に大きなマイナス影響を与えている」
というようなケースも、多々発生することがあるからです。

 

ですので、重要なことは、通行の「量」ではなく、

「どんな目的で往来しているか」
「どんな状態で往来しているか」

を考えることなのです。

どれだけ沢山の数の人々が往来していても、
その人たちが、実際にお客さんにならないのであれば、
まったく意味がないのですから。

 

このことを、忘れずにいていただきたいと思います。

 

 
 
 

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