飲食店2万人アンケートの結果

「お客さんがなぜあなたのお店を選んでくれたか」
 
を、動機別に考えた時、それは大きく3つに分けられるという話でした。

 

 

 

その3つのうち、2つについては、それぞれ、
そうした動機を持つ人々をお客さんとして捕まえるに当たり、
立地上のどういう部分が特に重要になってくるのかについて、
これまでに書かせていただきました。

 

<衝動(たまたま)来店>

<目的(わざわざ)来店>

 

 

今回は、その最後のひとつ、
 
『効率来店』
 
についても、まとめたいと思います。

 

 

 

効率(ついで)来店とは

「効率来店」は、別名「ついで来店」とも呼ばれ、その名のごとく、

「●●へ行くついでに、途中にあるあのお店に寄って行こう」


というような動機で利用される場合を指します。

 

具体的には、例えば、
  
「駅から家に帰るついでにコンビニ寄ってお酒買って帰ろう」
「スーパーに行くついでにクリーニングを出してこよう」
「DVDを借りに来たついでに隣の本屋にも寄って行こう」
  
などのように、本来は別の目的があるのだけど、
でもその目的を変更せずに行けるなら行ってもいい
、というようなものです。

 

「動機」の強さとしては、
「たまたま」ほど突発的ではないですが、
「わざわざ」ほど強くもないものです。

「面倒なくらいだったら行かなくてもいいか」と思うレベルの、
「弱めの目的来店」とも言えるかもしれません。

 

 

 

効率来店に適した立地とは

こうしたことを考えると、自ずと、「たまたま来店」と「わざわざ来店」の、
ちょうど中間くらいを取るのがベストだろうと考えられます。

 

すなわち、「たまたま来店」のポイントである、
  
□買い物客が多い繁華街である
□沢山の人が往来する道沿い
□お店の間口が大きくて通行人から目立つ
□2階や地下ではなく路面店

  
というような条件と、「わざわざ来店」のポイントである、
  
□誰もが知ってる街から1本か、乗り換え2回以内で来られる街
□沢山の人が往来する道沿いに、お店に辿り着くための目印がある
□探せばちゃんと看板が見える
□2階や地下でも、お店の存在と入口の場所がちゃんと分かる

 
というような条件を、程良くどちらも満たす、ということですね。

 

 

それだけでは分かりにくいと思いますので、
もう少し具体的に、「動線」という切り口から説明いたします。

 

「たまたま来店」「わざわざ来店」における「動線」

まず、「たまたま来店」で選ぶべき立地とは、一言で言えば、
「王道的な一等立地」
というようなものでした。
  
つまり、「人々の動線『上』にある」というようなことが必須になります。
動線を外す、ということはあってはなりません。

 

一方で、「わざわざ来店」で選ぶべき立地は、
「お店の場所を口頭で容易に説明できるかどうか」
でした。
  
「動線から大きく外れても構わないから、分かりやすいこと」
というのが、重要な条件になります。

 

 

「ついで来店」における「動線」

これらを総合して、「ついで来店」で選ぶべき立地についてまとめると、
 
「動線から『ちょっと』外れても構わないから、近くて分かりやすい」
 
ということになります。

 

この「ちょっと」については、
エリアや業態によってケースバイケースですが、
大きくても30m程度だとお考えください。
それ以上離れると、「ついで」ではなく、
「わざわざ」の意識になっていってしまいます。

できれば、
5~20mくらいの範囲に収まるのが望ましいです。
 
(裏を返せば、「たまたま来店」の場合は、
動線からたった5m外れただけでもダメージ大ということです!!)

 

 

 

 

この点に最も重点的に配慮することを前提として、後は、

基本的には「わざわざ来店」のポイントを最低限押さえつつ、
「たまたま来店」しやすい条件に近づける

というのが、「ついで来店」を狙う業態の出店戦略です。

 

 

 

「ついで来店」の立地でシビアになる業態の選定

また、「ついで」の場合は、「たまたま」や「わざわざ」よりも、
業態の選定がシビアになってきます。
  
なぜなら、「たまたま」の場合はそもそも「買い物客がターゲット」という前提があるので、ある意味分かりやすいものですし、
「わざわざ」の場合は、どんな業態だろうと、根本的に商品の質が良ければ、来てくれるものだからです。

しかし、「ついで」の場合は、それらとどう違うかというと・・・・
お客さんが、あなたのお店に来ること以外の目的を持って行動しているのです。
  
そのお客さんが何を目的として行動しているかをしっかり考え、
その目的を阻害しない業態にしなければなりません。

お客さんが「何のついで」なのかを、吟味する必要があるのです。

 

例えば通勤通学路に近い場所ならば、「会社や学校に行くついで」でしょう。
つまりは、会社や学校でも使える商品や、持って行って邪魔にならない商品が売れるでしょう。
コンビニや書店などは、まさにそれに該当しますよね。
  
また、スーパーに近い場所ならば、
「日常的な買い物のついで」のようなことが考えられます。

こうした場所に出店する良い例の最たるものは、クリーニング店です。

 

 

「効率(ついで)来店」の極意は、その名の通り、
「目的のついでにあなたのお店に来ると効率がいい」と、
お客さんにそう思わせられることがポイントなのです。

  
「家に帰るついでに買い物をしていこう」
「遊びに行くついでにあの店に寄っていこう」
「客先に行くついでに寄り道していこう」

「だってその方が効率が良いから」
と思わせることができたら、お客さんがどんどんやってくるでしょう。
  
本来お客さんが持っている目的に、プラスアルファの効率的選択を与えること。
これを、よくよく考えてみてください。

 

 

 

「ついで来店」がショップビジネスの命運を握る

最後に・・・・とりわけ飲食店においては、
この「ついで来店」のお客さんを吸引できるかどうかがお店の命運を握ることになる、
という証拠となるデータをお見せします。

  
かつて、とある飲食店のお客さん2万人に対して実施されたアンケートで、
 
「お店に来る前にどこにいて、お店から出てどこへ行きますか」
 
という質問があり、その回答を集計したものが、こちらです。

 

飲食店2万人アンケートの結果

「所用先」には「買い物」を含む一時的な滞在の目的が含まれ、
「オフィス」は「その場所をベースにしている」という意味で、「自宅」に含まれています。
自宅から職場に向かう場合の「職場」は、「所用先」となっています。

 

これによると、お客さんの7割が「効率(ついで)来店」なのです。

 

「自宅→店→所用先」とは、要するに「どこかに行くついで」
  
「所用先→店→自宅」とは、要するに「どこかから帰るついで」
 
「所用先→店→所用先」とは、買い物中に立ち寄って、
また買い物に出る、という状況を指します。

ここには、「たまたま」という人も含まれます。
  
家やオフィスから、そのお店に来て、
また同じ場所に戻っていくパターンは、3割しかありません。

「自宅→店→自宅」の部分が、それです。

 

 

つまり、このデータが何を示すかというと・・・・
  
飲食店のお客さんで「目的(わざわざ)来店」をするのは3割程度しかいない

ということです。

 

効率的に集客できるポイントを外し、
「わざわざ来店してくれるお店を作る」というコンセプトにした瞬間に、

「市場にいる3割の人しかターゲットにできない」
と言い換えることもできるでしょう。
  
これは、きわめてリスクが高く、もったいないことです。
(勿論、業態にもよりますが)

 

 

先に書きましたように、「わざわざ来店」の場合は、
「たまたま」と比べたら、立地上の条件がだいぶ緩和されます。

だからといって、じゃあ「わざわざ」だけを狙って商売が成り立つのかと言えば、
こういうリスクがあることは知っておいていただきたいと思います。

  
ただでさえ昨今、外食のニーズはひと昔前に比べれば減少していると言われます。
そのため、個人も企業もあの手この手で、
自分のお店を選んでもらえるような仕掛けを作っています。

  
その仕掛けのひとつとして、
「何かのついでに寄れる立地」
を選ぶことは、とても重要な戦略になります。

 

そのことを、忘れないでください。

 

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