初めての出店開業時の売上予測における営業力とは

売上予測における「営業力」要因について

売上予測の分析をおこなう際、基本的には、
「立地要因」のみでおこないます。
原則として「営業力」などの要因は勘案しません。

しかしながら、やはり感覚的には、
「営業力」についても気になりますよね。

 

 

というわけで、以前、

「売上予測をする際には営業力をどう設定したらいいか」

ということについて書かせていただいたことがありました。

 

とりわけチェーン店の営業力要因の数値化について、
3つのポイントがあるという話でした。

そもそも、「営業力」を数値化するためのデータは、
既存店が10店舗以上あれば、
それなりに収拾することができるでしょう。

それでもまだ正確に「営業力」を表せるわけではありませんが、
何も指標が無いよりはだいぶ参考になるかと思います。

 

 

では、この考え方をベースにすれば、
何店舗もあるチェーン店はそういう手法でいいとして・・・・

まだ数店舗しか出店していない中小企業や、
ましてや個人で初めての出店の場合はどうするのか?

と、疑問を持たれることでしょう。

初めての開業時に売上予測をする場合は、
どう「営業力」を設定できるのかと。

今回はその点について触れていきます。

 

 

 

初めての出店での売上予測は不可能

率直に申し上げますと、

初めての業態での出店の、
精緻な売上予測はほぼ不可能

です。

 

既存店があるならば、そのお店と比較ができる、
つまり「基準」が作れるということですが、
初めての出店となると、それはできません。

例えば、カフェを出店したいと言われても、
「どんなカフェか」によって、同じ物件でも、
売上げの多寡は大きく違ってきます。

それこそ、皆さんがよくご存知のチェーン店であっても、例えば、
「スターバックス」と、
「ドトール」と、
「ベローチェ」と、
「タリーズ」では、
同じ物件に出店しても、同じ売上げには決してなりません
ましてや、初めての業態で出店するのであれば、なおさらです。

そのカフェが、
標準的に200万円しか売れない業態なのか、
それとも1,000万円売れてもおかしくない業態なのか、
その基準がなければ、きちんと売上げを予測することは、
きわめて難しいと言わざるを得ないのです。

 

しかし、そんなことを言っていても、現実的には、
「売上予測をしない」というわけにはいきません。

そんな時、どうしたらいいかについて、
ひとつのポイントを、段階に分けてご紹介します。

 

 

それでも初めての出店で売上げを予測するには

1.「モデル店舗」の設定

まず、新しく出店するその業態の客単価やターゲット層などから、
世の中にある既存のお店の中で、「このお店がイメージに一番近い」というお店を設定します。

「唯一無二の業態を作りたい」という意気の方もいらっしゃるでしょうし、
それはそれでとても立派なことだとは思いますが・・・・
そう思い込んでしまうと、リスクは増えるばかりです。

自身の理想とは切り離し、
客観的に自分の業態を見つめてください。

「自店と同じターゲットを集客している業態は?」
「同じくらいの客単価の業態は?」
「似たような商品を扱っている業態は?」

と、しっかり比較してみることが大切です。

 

2.「モデル店舗」の客数(売上げ)を予想

続いて、そのモデル店舗の売上げを調べます。

実際にその店舗に張り付いて入客状況を観察してもいいですし、
雑誌などに売上げが公開されている場合もあります。

すでに出店しているお店の売上げの予想の仕方は、ここでは割愛いたします。
色々方法はありますから、考えてみてください。

 

3.「モデル店舗」と比較して売上予測

モデル店舗の1日客数が、300人だったとします。
そうしましたら、その数字を基準にして、
そのお店の立地と、自分が出店する物件の立地を比較し、
売上予測をしてください。

モデル店舗が、立地点数60点で300人なら、
新規物件は、立地点数70点だから・・・・
そうなると、350~400人くらいだろうか?

というような具合に、です。

1日の客数が分かれば(出来れば平日休日両方が望ましい)、
その数字に「客単価」をかければ、売上試算値が出ますね。

客単価は、ある程度、業態の作り方次第で、
店舗側でコントロールがきくものですから、
予測に使用して十分優位な指標でしょう。

勿論、モデル店舗について、
観察した客数ではなく、売上げ実績が分かっているなら、
その売上げと直接比較して、物件の予測値を算出するのもありです。

 

 

売上予測試算値の扱いにおける注意点

以上のようにすると、「初めての出店」でも、
それなりにしっかりと参考になる「予測値」を算出することができます。

ただし、気を付けなければならないのは、
あくまでこうして算出された予測値は、言うなれば、

「そのモデル店舗がこの物件に出店したら」

というものであるということです。

つまり、例えば、
「スターバックスのようなコーヒーショップを出店したい」
と考え、モデル店舗として取り上げて、売上げを予測したなら・・・・

それはあくまで、

「もしこの物件でスターバックスが出店したならば」

という意味の予測値でしかありません。

言うまでも無く、いくらモデルにしている店舗といえども、
新しく出店するお店は、スターバックスそのものではありません。
したがって、スターバックスと同じように繁盛するかは、
出店してみないと分からないものです。

ですから、ここで出した予測値を過信することは禁物です。

「スターバックスならば600万円売れるから、
スターバックスに似せれば同じくらい売れるだろう」
などというのは、非常に甘い考えです。

あなたがモデルにしようとするお店は、
モデルにしたいと思うくらいですから、
「繁盛店」「人気店」なのでしょう。

チェーン企業であれ、個人店であれ、
モデルにしたくなるような「良いお店」は、
いずれも試行錯誤と努力の上に、
現在のそのお店が成り立っているのです。

ですから、おいそれと見た目だけ真似しても、
同じだけの売上げが出せるわけではありません。

そこを、重々肝に銘じておいていただければと思います。

 

ただ、そうしたモデル店舗を設定し、そのお店を基準にして売上予測をすることで、
「この物件では、頑張って良いお店にできれば、そのくらい売れるかもしれない」
と、希望を持つことができます。

初めての開業では、このように売上予測をおこない、
そして、その予測値を、「目標」にして、
良いお店を作る努力をしていっていただければと思います。

 

 

「立地」だけでは分からない領域の難しさ

ショップビジネスでは、立地が売上げに大きく関わりますが、
「立地だけで決まる」わけではありません。
業態の中身、営業内容も、きわめて大切なことです。

「営業力」は、立地要因と比べると数値化がとても困難ですが、
間違いなくこれも、お店によって、高いお店と低いお店があります。

同じ立地、同じ物件に出店して、同じ客層をターゲットにしていても、
業態によって売上げが変わるのは、そのためです。

ですから、「営業力」も、極力ちゃんと数値化できれば、
売上予測をするための一助にはなりえます。

 

ちなみに、「営業力」について、ちょっとポイントは逸れますが、
このコラムも読んでみてください。

 

ショップビジネスとして、大切にしなければならないことが何か、
ショップビジネスに携わる皆様には、
いつも心に留めておいていただきたいと強く願います。

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