インバウンドをメイン客層にするリスク

コロナ騒動で飲食店は軒並み大打撃

数年前からどこもかしこも「インバウンド」に湧く中、僕は徹底して、

「インバウンドはボーナスみたいなもの。
外国人観光客をメインターゲットにしては絶対ダメ。
地域の人を集客してそれで成り立つお店にすべき」

と、自分のクライアントにはお伝えしてきました。

 

そして、“残念ながら”それが正解だったことが、
このコロナ騒動で明らかにはなってしまいました。

 

けれども、こんな形で予想が当たるのは、せつなすぎることで、
複雑な気持ちになっている状況です。

現在、インバウンドを当てにしていたお店は特に、
片っ端から大打撃を受けているようであり、
その悲痛な叫びを聞きながらなお、
「ほら見たことか」
と言い放つ度胸は、僕にはありません。

何卒、経営者さん方の心が安らかにいられるよう、祈るしかありません・・・・

 

ただ、数年前から、

「立地として、地元民集客だけじゃ微妙なんですけど、
インバウンドで流入が増えてきているので、
それを合わせればなんとかいけると思うんですよね!」

と仰る方は本当に増えてきていて・・・・ 
こういうものは、絶対に失敗すると断言して、
そうした出店はできる限りNGを出してきました。

 

 

インバウンドをメイン客層として期待してはいけない理由

今回みたいなコロナ騒動がなかったとしても、
では、オリンピックが終わって流入が落ち着いたら、
インバウンドはどうなるのでしょうか?という辺りが問題です。

そういった、ブームや流行など、変動しやすい流動的なものをアテにしたビジネスは、
どうしても景気や社会情勢が悪くなると、脆いですよね・・・・

 

 

「クリスピークリーム型」と「ミスタードーナツ型」

よく僕は、「クリスピークリーム型」「ミスタードーナツ型」というお話をさせていただきます。

同じドーナツ業態でも、きっと多くの人にアンケートとったら、
おいしくて「映え」で評価が高いのは「クリスピークリーム」さんでしょう。

しかし、その分価格も高いし・・・・何より、毎日食べる気にはならないのではないでしょうか。
なんというか、おいしすぎるというか、存在感が「強すぎ」て。

「たまに」ならいいんでしょうけれどもね。
それこそ客先への手土産とか、パーティとか、
そういう「ハレ」の日になら、喜ばれるはずなんです。

そんな「クリスピークリーム」さんは、一時期は大人気で、
大型商業施設への出店を主に、日本全国に広まりましたが・・・・

もはや今は、その時の勢いは見る影もありません。

大行列ができていた新宿サザンテラスのお店も、数年前に閉店してしまいました。

 

一方で「ミスタードーナツ」さんって、
そんな物凄い取り立てておいしいわけではないんですけれども、
不思議と、「しょっちゅう食べてても飽きない」んですよね。

それに、セールの時なんか1つ100円なので、日常的なお茶請けにも使えるわけです。

そのため、「クリスピークリーム」さんが数十店舗で頭打ちだったことに対し、
「ミスタードーナツ」さんは1,000店舗以上を展開しているのです。

(最近は大量閉店というニュースも聞きますが、
それは「ミスタードーナツ」さんが特別問題なのではなく、
社会全体の問題であり、他のチェーンも軒並み悩まされています)

 

「ミスタードーナツ」さんは、勿論、繁華街や商業施設内にも沢山出店していますが、
それだけでなく、ベッドタウンのような街にも、積極的に出店していったのです。

それができたというのは、つまり、
「商業集積が小さくても、地元住民だけで売上げが成り立つビジネスモデル」
を作ることができたからです。

周辺住民に日常的に買ってもらえる商品を作ったからこそ、それができたのです。

その基本的な下地ありきで、ちょっと工夫をすれば、
繁華街ではさらに+αの売上げを見込めるのも、当然の話です。

 

 

「クリスピークリーム」さんの商品は僕も好きですし、
やはり「ハレ」の日には買いたいと思いますので、
決してこの業態そのものに批判をするわけではありません。

しかし・・・・

「ハレ」のお客さんをメインターゲットにする業態というのは、
どうしてもビジネスモデル的に脆いということは、事実です。

観光客や娯楽目的での流入客などは、その数も質も安定するはずがなく、
調子が良い時には大きく売上げを伸ばすことができるものの、
調子が悪くなれば尋常じゃなく落ち込みます。

ですので、インバウンドなどの流動的な人々をメインターゲットにしたビジネスモデルでお店を作ることは、
きわめて大きなリスクなのです。

 

 

 

社会情勢に左右されない立地に出店する

社会情勢や景気に左右されない、無関係に繁盛するというのもなかなかありませんが、
でもなるべくなら、そうしたものからの影響が少なくて済むようなビジネス作りをすることが、
お店の長期的な繁栄に欠かせない、とても大切なことだと思います。

 

ですから・・・・
ちゃんと「立地」を考えましょう、という話なのです。

「景気の影響を受けにくい立地」というものは、あるのです。

(それをここで解説し出すと長くなってしまうので別の機会にしますが)

 

 

 

 

今回のコロナ騒動で、大きな痛手を被ったお店の方々には、心から同情します。
どうか1日でも早く立て直せるように祈っております。

 

それと同時に、改めて・・・・
本当に幸せになれるショップビジネスのやり方を、
「立地」から考え直していく機会にしていただければなぁと思います。

この記事が気に入ったら
フォローしよう

最新情報をお届けします

おすすめの記事