分散行動が起きやすい道路構造に注意

これまで、「繁盛立地」とは、端的に言えば、
「TGや動線が形成されている場所」である
と、何度も申し上げてきました。

TGや動線が形成されているというのは、
つまり、そこに「人が集まる理由」があるということです。

駅や商業集積があったり、それらと住宅街を繋ぐ道路であったり、
人々が集中するからこそ、そこにビジネスチャンスが生まれるのです。

 

 

このことは、裏を返せば、

「人々が集まらない場所は儲からない」

ということでもあります。

 

さらにもっと突っ込んだ言い方をすれば、

「人々が分散してしまう場所は危険」

ということです。

このような場所は、そこかしこにあります。

今回は、そんな危険な立地について、
代表的な2つのパターンをご紹介します。

 

 

1.複数の駅と駅の間

ひとつめは、周辺に複数の駅があり、
それらの駅のなかほどにお店がある場合です。

このような街では、物件周辺に住む人々、
あるいは働く人々の行動が、日常的に各駅の方向へ分散する傾向にあるのです。

これを立地用語で「2駅分散」と呼び、図に表すとこのようになります。

複数駅による分散行動

上図で言えば、例えば、お店がA駅に近ければ、
「A駅を利用するために集まってくる人」
をお客さんにできます。
(B駅に近い場合もまた然り)

しかしながら、A駅とB駅の間のエリアの人々は、
少しでも近い方の駅を利用しようとするので、
ちょうど中間地点は、空白地帯になってしまうのです。

こうした分散傾向のある立地では、飲食店はもちろんのことですが、
大型で集客力のあるスーパーマーケットなどでも、
マイナスの影響が大きく出ることが分かっています。

 

よく、不動産屋からの物件情報に、
「2駅利用可能の好立地!」
みたいに書いてあることが、ありますよね。

駅が2つあるから、その両方を利用できる、つまり、
「お客さんが2倍集めやすいですよ」というような意味合いでのアピールです。

確かにこのことは、「住居物件」であれば、
とても便利でプラスポイントとなります。

しかし、「店舗物件」として考えると、前述のようなことが理由で、
まったく反対の大きなマイナスポイントなのです。

これは、とりわけ初めて出店する個人事業者が、
よく陥りやすい落とし穴です。

 

住居としての自分の「利用しやすさ」と、
店舗としてのお客さんの「利用しやすさ」は、
180度反対の見方をするくらいのつもりが必要です。

 

 

2.碁盤の目状の道路構造

ふたつめは、縦横に並行する道路が複数通っていて、
碁盤の目状の構造になっているエリアです。

こうした道路構造の街では、どの道路を通っても目的地へ着けてしまうため、
「人々がとりわけ集中する道路」というものができにくいのです。

碁盤の目状道路

この図でいうところの経路Aと経路Bは、どちらも距離は同じですから、
人々にしてみれば、どっちの道を通ってもいいわけであり、
「この道を通らなければ」という必然性が無いのです。

こうした碁盤の目状道路の途中にお店があっても、
人々が物件の前を行き来する必然性が低くなり、
ひいては来店行動も起こりにくくなります。

 

このようなケースでも、複数駅の時と同じように、
「自分にとって便利」という目線で見てしまうと、

「道路が何本も通ってる=便利だからお客さんが沢山来る」

というような発想をしてしまいかねません。

しかしながら、こうしてよくよく考えてみると、
お店の前を人々が通る確率が低くなるのですから、
繁盛の可能性も低くなることがお分かりになるでしょう。

 

 

 

道路構造が集客にきわめて大きな影響を与える

もちろん、碁盤の目状の構造をしている街でも、
鉄道駅の駅口商業施設がある道路や、
往来する必然性の高い横断歩道がある交差点などは、
その他の道路と比べて集中度は高まります。

そうした場所を見極めて出店していければ、
まだ、可能性はあると言えるでしょう。

 

このような構造で代表的な場所はといえば、例えば、
東京の銀座エリア京都の四条烏丸エリアなどですが、
やはり少しでも集中度の高い道を選んで出店できることが、
明暗を分けているのは間違いありません。

 

このように、見方によっては、繁盛しそうに見えてしまう場所ながら、
実際にはきわめて大きな危険をはらむ、「人々が分散する構造」には、
細心の注意を払って出店するようにしてください。

できれば、なるべく避けることをお勧めしたいところです。

この記事が気に入ったら
フォローしよう

最新情報をお届けします

おすすめの記事