商店街での出店が失敗する5つの理由①

「商店街への出店」は本当に成功パターンなのか?

 

全国には数多くの「商店街」があります。

その中には、見るからに寂れているシャッター通りもありますが、「商店街」と言えば、多くの人は、

「人が沢山で賑わっていて成功の可能性が高い」

と考えるのではないでしょうか。

 

確かに、商店が沢山密集していて、人通りが多ければ、

「TGや動線がちゃんとできている」

というふうに、一見して思えてしまうでしょう。

 

しかしながら、実際のところは、そう考えてしまうのは早計なのです。

事実、多くのナショナルチェーンが、様々な商店街への出店にチャレンジし、そして、失敗をしてきました。

国内最大のチェーンである、あのマクドナルドですら、商店街内への出店は全店舗の中でも少ないですし、あっても商店街の玄関口(駅に一番近い場所など)に、限られているのがほとんどです。

皆一様に、前述のように、
「商店街はTGや動線ができている」
と思って出店するのですが、その後で失敗に気付いて撤退していくのです。

 

商店街での出店が失敗する5つの理由②

 

勿論、100%必ず失敗すると決まっているわけではありません。

しかしながら、多くの人が過度な期待を寄せるほどには、

「商店街への出店」とは、成功パターンではない

ということを、ショップビジネスを営む方々には知っておいていただきたいのです。

 

 

「商店街への出店」の大きな5つの問題点

では、その理由は、いったい何なのかというところで、大きな5つの問題点を、解説していきます。

 

1.商店街自体の集客力が弱い

売っている商品やサービスに魅力がない、
商店主にやる気がない、
活気がない、
QSCが低い・・・・

などなど、様々な営業上のマイナス点があるため、商店街がTGになっていないケースです。

 

このケースについては、昨今では見た瞬間に分かるような、シャッター商店街が増えつつあります。
また、お店が開いているように見えても、実際には全然お客さんが入っていないことも多いのです。

さらには、人通りが多かったとしても、よくよく観察してみると、その商店街は「通り道」になっているだけで、買い物をしている人がほとんどいない、というケースも少なくありません。

 

さすがに、こうした商店街は、見るからに活気が無いことは分かりますので、出店したいと思う人も少ないでしょう。

しかし実際のところ、こうした商店街は全国に増えつつあります。
小さな町どころか、そこそこ大きな、地域としては有名な商店街でも、一部の中心地を除けばこのような状況になっているというケースも少なくありません。

また、そもそも全国的に、商店街の活気自体が落ち込み気味であり、多くの商店街において、集客力は昔と比べると格段に落ちていると見られます。

 

 

2.人々が分散する道路構造

一般的に多くの商店街には、「表玄関」と「裏玄関」が存在します。

「表」とは、駅などの他のTGに近い出入口で、
「裏」とは、その反対側の、もっぱら住宅街側の出入口です。

この「表」と「裏」を繋ぐ道沿いに、様々な店舗が出店しており、それが「商店街」を形成しています。

しかし、問題は、
「その2つ以外からも商店街への出入りができる構造」
であるということです。

 

多くの商店街において、「表玄関」から「裏玄関」までは、数百メートルの距離がありますが・・・・

その間に、商店街の外に出る脇道が、ひとつもない商店街というのは、ほぼ存在しないと言っていいでしょう。

道が縦横に何本も通っており、数十メートル置きに十字路やT字路があるため、そうした場所からも、人々は出入りできてしまいます。

 

これは言い換えれば、
「取り立てて集中度の高い交差点が存在しない」
ということです。

 

もし、他に行き場の無い一本道であれば、出入口に人が集中するのは必至ですが、そうでなければ、人々の行動は分散してしまうものです。
したがって、駅などに近い「表玄関」ならばともかく、「裏玄関」は、あまり利用されない場合もあります。

このように、「人がとりわけ集中する場所」が無ければ、「TGと言える場所が無い」ということですので、好立地を見つけることがきわめて難しくなります。

商店街は基本的にこうした構造になっているため、効率的な集客ができにくい上、他の競合店などと比べても立地で差別化を図ることが難しいため、繁盛しにくいと言えるのです。

 

商店街での出店が失敗する5つの理由③

3.買い物客の消費購買性向が低い

「商店街」を利用する人々というのは、もっぱら「地域住民」です。

広域から買い物客が流入する「繁華街」に対して、
地元の人々が日常的な買い物で利用する「商店街」は、
仮に通行量が同じだけあったとしても、人々の買い物の意欲は、低いものです。

日常的な飲食料品など、最寄品の需要はそれなりにあるものの、特別な買い物などは、ほとんど「商店街」では、されません。

 

「繁華街」と「商店街」の明確な数値的基準はありませんし、「商店街」にまったく外からの流入がないわけではないですが・・・・

人々がそこで買い物をする際の客単価は低く、どこから来店しているか(商圏)の範囲が、いわゆる「商店街」は、「地元」に限られます。

休日におでかけ、というような、お金を使いたくなるシーンで、わざわざ「近くの商店街に行こう!」と思えるでしょうか?
思いませんよね。

ちょっと贅沢な買い物がしたければ、人々は「商店街」ではなく、大きな街の「繁華街」に行くものです。

 

こうした、「そもそも商店街を往来する人々は購買意欲が低いため、必要なもの以外のためにお金を落とさない」という性質は、多くの業種業態にとって、繁盛するためにかなりのマイナス要因であると言えます。

 

 

4.大型商業施設TGがない

商店街の中には、人々の購買をもっぱら引き受ける、大型のスーパーや量販店などのTGがないことが多いのです。

勿論、すべての商店街がそうなっているわけではありませんが、こうしたTGがあるのとないのでは、繁盛の度合いには、雲泥の差が生まれます。

 

<参考>TGとは

上記の3の理由ともリンクしますが・・・・
大きな商業施設が無いことも、消費性向の高い人々が流入しない理由のひとつです。

 

なお、商業施設であれば何でもあればいい、というわけでもありません。
逆に、「商業施設があることで商店街からお客さんがいなくなる」ということもあるのです。

 

以前、とある街の、商店街の駅側玄関口の近くに、大きな百貨店が出店したケースがありました。

当初は、
「大きな百貨店ができれば、近隣の町からもお客が来てくれて、この商店街も潤うだろう」
と多くの地域住民が思ったようですが・・・・

しばらくすると、全く反対の結果になってしまいました。

確かに、百貨店の出店によって、近隣から今までより多くのお客さんが、そのエリアに来るようにはなったのですが、そうした人々は、その百貨店は利用したものの、わざわざ商店街の方まで足を運んではくれなかったのです。

 

駅から降りてきた人たちは、商業施設を利用すると、そのまま、駅へ帰っていってしまい、駅から見て、商業施設の「向こう側」にある商店街には、ほとんど来ることがありませんでした。

つまり、百貨店が商売上の大きな壁になってしまったのです。

 

このようなケースも多々ありますので、商業施設がただがあればいいというわけでもなく、注意が必要です。
きちんと、その商店街と客層のマッチする商業施設であることが第一ですし、
さらには、駅と商業施設の「間」に、商店街ができていることが重要です。

 

 

5.周辺が暗くて危ない

周辺状況の大きなマイナス要素が、これです。

なんとなく閉塞感があり、街灯はあるのに、なぜか「暗い」と感じる・・・・そういうことはありませんか。

その原因のひとつは、少なくとも、アーケードが設置されていることにあります。

 

十分採光してあり、また新品同様にピカピカのアーケードなら、そのようなことはないのかもしれません。
しかし、現状の多くの商店街のアーケードは、残念ながらどこも汚れたり、欠けたり壊れたりしています。

物理的な暗さというより、雰囲気の暗さですね。
アーケードのみならず、建物の外観なども同じです。

 

また、「危ない」というのは、自転車が走り回っていたり、あちらこちらに搬入自動車が止まっていたり、商品がうず高く積まれていたりしているということです。
買い物を楽しもうにも、少し脇目を振ると、後ろから自転車に追突されそうになる・・・・そんな状況では、おちおち買い物もできません。

こうした要因は、一見して分かりにくいものの、周辺に住んでいて日常的にその商店街を利用する人々にとってみれば、「なんとなく」必ず分かってしまうものです。
「なんとなく」買い物を楽しむ気になれない商店街だな・・・・と人々が感じてしまうと、必要最低限以外の買い物をそこではしなくなりますので、どんどん売上げ自体は落ち込んでいくことになってしまいます。

 

 

それでも商店街に出店するのであれば考えるべきこと

以上の5つの理由が、全国の多くのの商店街に共通した、「商店街への出店で繁盛が難しい理由」です。

 

ですから私は今まで、駅に近い商店街の入り口付近以外では、商店街の中の立地を勧めるようなことはしていません。

むしろ、押し留めるケースの方が多くあります。それほどに、商店街の中での出店はリスクが高いということです。

 

では、そんな現実であるにも関わらず、どうしても商店街の中に出さなければならないような事情があった場合は、どうしたらいいのでしょうか。

 

それには、商店街の中で最も賑わっている場所(ポイント)はどこか、という点をよく観察してください。
すなわち、TGと動線の集中度を見極める、ということです。

 

もしも、鉄道駅や大きな交差点、バスターミナルや大型小売店などの分かりやすいTGがあるようでしたら、なるべくそれらのTGの近くを選ぶことです。

 

<参考>

 

 

しかし、そうしたTGがあったとしても、先述の5つの最後、「暗い商店街、危ない商店街」は、絶対に避けるべきでしょう。
「明るく楽しい商店街」にしか、人々は行きたいと思わないのですから。

商店街での出店が失敗する5つの理由④

 

そんな商店街に無理やり出店するよりも、例えば、以下の記事で書きましたような、「隠れ繁盛立地」を探していきましょう。

その方が、何倍も成功確率は高まります。

 

「ここは商店街の中だからしっかり集客できますよ!」

というような、業者の謳い文句に乗せられて、高すぎる家賃を支払うことにならないよう、お気を付けください。

 

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