駅近神話

お店の立地の世界には、様々な「神話」が蔓延っています。

 

 

「神話」とはすなわち、

「科学的根拠なしに、『●●ならば良い立地』と信じられている話」

のことです。

 

 

さすがに数十店舗を構えるようなチェーン企業になれば、
既存店のデータから科学的な裏付けは取れるため、
「神話」を盲信して店舗開発をすることはほとんどありません。
(それでも稀に見受けられますが・・・・)
  
しかし、店舗数が少ない小規模チェーンや、個人開業者などは、
調査の手法を知らない、データが無いなどの理由から、
「神話」を鵜呑みにしてしまう人が少なくないのです。

 

「神話」の全てが100%誤りというわけではありませんが、
鵜呑みにしてしまうと、大きなリスクを背負うことになります。
  
今回は、そんな、「気を付けなければいけない神話」について、
大きなものを5つ、ご紹介したいと思います。

 

 

 

通行量が多ければ良い立地?「通行量神話」

交通量神話

一般的に店前の通行量が多ければ、
どこでも好立地であると思いこみやすいようです。
  
しかし、実際には、
通行量が少なくても、繁盛しているお店は、
たくさんあります。
 
また反対に、
通行量が多いのに、全然売れていないお店も、
たくさんあります。

 

それは、通勤通学路のように毎日同じ人が歩いている道路と、
毎日違う人が購買目的で歩いている道路では、
同じ通行量でもビジネスチャンスは大きく異なってくるからです。
 
つまり、立地の善し悪しを判定するには、
通行量よりもむしろ、

どのような人々が、どういう目的で歩いているか

ということの方が重要だということです。

 

なお、通行量をもとに、売上げを予測したり、
好立地であると判断することは避けるべきですが、
通行量を測定することにまったく意味がないわけではありません。
 
通行量から、その商圏の特性を知ることができるからです。
 
そのことについては、詳しくはこちらの記事に書いてあります。

 

 

 

商圏人口が多ければ良い立地?「商圏人口神話」

商圏人口神話

商圏人口のデータは、売上げに全く無関係ということはありません。
しかしながら、人口(住んでいる人)が多ければ、
それだけで売れるということにはなりません。
  
住んでいる人が多かったとしても、
日中は就学・就業で、そのほとんどが
外のエリアに流出してしまう地域
もありますし、
 
逆に、住民は少なくても、外のエリアから、
沢山流入してくる地域
もあります。
銀座や新宿などの大繁華街は、まさに、
そういったケースですね。
  
今でも、不動産屋で物件情報をもらうと、
「人口」のデータがついてくる場合があります。
「判断のための一材料」ではありますが、
それを根拠に立地が良い・悪いは、
決定することはできませんので、注意してください。

 

 

 

有名チェーン店の隣なら良い立地?「有名チェーン神話」

有名チェーン神話

これも、多くの人が陥る落とし穴のひとつです。

 

「大手はお金をかけてマーケティングしているのだから、
出店しているお店は全て売れているに違いない」

と仰る方は、かなり多くいらっしゃいます。

  
しかし、実際には、どんな大手チェーンでも、
月商数百万円のお店もあれば数千万円のお店もあり、
営業成績はピンキリです。
  
それを十把一絡げに、
「大手さんが出店しているなら大丈夫」
と考えてしまうのは、ずいぶん乱暴な話です。

それに、そもそも事実として、
「ちゃんと立地判定・売上予測をしていないチェーン」
というのも、多く存在するのです。

 

さらには、
もし「その大手チェーンのお店」がいい立地であったとしても、
「その隣」がいい立地である保証はありません。
  
通行人対象立地でもロードサイド立地でも、
「一等立地の隣が三等立地」というようなことは、
よくあることだからです。
  
重要なのは、大手チェーンに依存するのではなく、
なぜその大手チェーン店の立地が良いかを自分で考えることです。
  
そして、それが自社が出店する物件にも当てはまることなのかを、
判断する必要があるのです。

 

 

 

駅に近ければ良い立地?「駅近神話」

駅近神話

駅は、通行人対象立地であれば、多くの場合、
「最大のTG」となります。
  
TGに近ければ近いほど、離れているよりもプラスであるというのは、
確かにその通りではあります。
TGになるべく近づけて出店することが大切だとは、
今までも何度も申し上げてきました。
  
しかし、駅に近ければどこでも良い、
という訳ではありません。
  
駅を利用する人々が通る必然性のない場所であったり、
全く目に止まらないような物件であれば、
そのポテンシャルを吸引する事はできないからです。
 
つまり、「駅に近い」といっても、
その距離(近さ)にこだわるよりも、
そこを利用する人々の行動から判断することの方が、
何倍も重要なのです。
  
例えば、
駅を出ると、購買客のほとんどが右側に行くような場所で、
駅の左側に出店したって、プラスの効果は薄いというのは、
想像に難くない話であると思います。

 

 

 

交差点角地なら良い立地?「交差点神話」

交差点神話

これも、とりわけロードサイド立地では、
頻繁に言われることですね。
  
確かに、交差点角地には、以下のような利点があります。
 
(1)物件手前に道路がある分だけ視界性が良くなる。
(2)間口を2辺に取りやすく、インアウトが良好になる。
(3)交差点がランドマークやTGになる。

 
これらが全て成り立てば、確かに、
その交差点角地の物件は、良い立地と言えます。

 

しかし一方で、交差点角地ではあるけれども、
  
・障害物があって物件が見えない
・間口が片方にしか取れない
・物件前が渋滞傾向にあってインアウトしにくい

  
などのようなことになれば、
良い立地とは言えなくなってきます。

 

交差点だから自動的に良い立地と考えるのは、
きわめて危険なことです。
  
「交差点だから」ではなく、上記のような「利点があるから」
良い立地と言えるのだということを、お忘れなく。

 

 

 

 

以上、未だに多くの失敗を生んでいる、
「立地神話」についてお話しました。

通行量・交通量が多くても、
商圏人口が多くても、
有名チェーンの隣でも、
駅に近くても、
交差点角地でも、

「だから、売れる」と結論付けることはできません。

出店の際、不動産屋や、FC本部が、

上記のどれかに当てはまることを言ってきたら、
必ず、それを鵜呑みにすることなく、
しっかり立地調査をして、良否をしっかり
見極めるようにしてください。

 

 

 

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